誕生日はまだない

にゃんが家族になったのは1998年の9月。まだ残暑が厳しくて、当時住んでいたマンションは西日がガンガンに当たる場所だったので、エアコンが1台しかないマンションの自室は9月とはいえ猛暑だった。
お向かいの部屋に住むご夫婦がどこかで拾ってきた白猫ちゃんは、奥さんが妊娠をした事が分かった日に捨てられたらしい。私の上階に住んでいる方から、後から話を聞いて知ることになる。1996年の夏には、おそらく仔猫だったはずの白猫ちゃん。お外の生活では栄養も足りていなくて1年経ってもまだ小さかった。冬は、当時の住まいだったマンション近辺の野良猫さん達と一緒に、ドブの側溝に皆で入って暖をとっていた。この小さな新入りちゃんは、いつも大人猫の一番後にひっついて寒い冬を頑張っていた。せめて大人猫の真ん中にサンドイッチしてもらえていたら、暖かいだろうに…と思いながら「頑張ってね。」って思いだけを送って一冬過ごした。
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また夏が来て、白猫ちゃんは少しだけ大きくなっていた。でも、もう1歳以上にはなっているはずなのに小さくて華奢な猫ちゃんだった。猫と暮らした事がない当時の私には、外の生活ではご飯が足りていないことや免疫力が無くて病気になったりすることなど全く分からないことだった。
この年の4月頃から、白猫ちゃんは私の前に頻繁に出没するようになった。猫が苦手だった私も、人懐こくやってくるこの猫ちゃんのために、時々にぼしやミルクや煮魚などをあげるようになった。そのうち、私の車やバイクの音を聞き分け、出先から戻ってくるエンジン音でお迎えに必ず来るようになった。嬉しそうに鳴きながら。
そうなってくると、苦手だったはずの猫への苦手意識も薄くなる。
6月にはトライアスロンの遠征で4日間家をあけることになり、当時別々に暮らしていたババりんに「時々お水と煮干しか煮魚を猫ちゃんにあげてほしい」と頼んで出掛けほどだった。別に自分の猫でもないのに。
遠くの地にいても留守中の白猫ちゃんの事が気になって、4日日間、心配でならなかった。遠征から帰宅すると、嬉しそうに鳴きながら、そしてものすごいスピードで走ってくる白猫ちゃん。たぶんこの頃には、心のどこかでこの子と暮らそうと思っていたのだと思う。ただ現実にはペット不可のマンションだったし、猫と暮らした経験もなかったから、簡単には踏み切れなかった。
白猫ちゃんは昼間の数時間や夜の間、玄関ドアの前で寝ているのが日課になった。でも、相変わらず毎日わずかな煮干しやお魚をあげて時が過ぎた。いつしか私もその子のことを猫だからという理由で「にゃんちゃん」と呼ぶようになっていた。白猫ちゃんは夏の間じゅう私の部屋の玄関ドアの前に、バッタや蝉を運んできてくれた。今にして思えば貴重な自分の食べ物だったに違いないのに、少しばかりのお魚や煮干しへのお礼のお裾分けのつもりだったみたい。週2回、清掃に来る管理人のおばさんから「nyanmyupurinさんのドアの前には、いつも虫がいっぱいありますね。」と不思議がられた。
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この年の夏は、暑くて湿気が多かった。暑い夏は、この白猫ちゃんの体力をものすごく消耗させていたようだった。8月の中旬には顔がポツポツと黒い物が見え始めた。ご飯をあげ出した頃からすでに耳の中が黒かったけれど、当時の猫の事をまるで知らない自分には、それが耳ダニであるということも知らず、顔の中央まで黒い斑点が幾つも出来るまで気にも留めていなかった。白い猫なのに、顔がかなり黒っぽくなって、目つきがきつくなってきた。さすがに、これはおかしいと気が付き本屋へ直行。猫の病気について書いてある本を探した。早く治療しないと臭覚も衰え最後には『死』という文字が目に入った。その瞬間、あの子を保護し医者へ連れて行こうと思い捕獲作戦が始まった。でも野良をやっていた白猫ちゃんは、ナデナデされるのは大好きでOKなのに抱き上げられるのを拒むし、抱っこしたと思ったら瞬間に逃げてしまう。煮干しやお魚をくれるわけではないって事もお見通しだった。
調度そのころ、野良猫の多い居住区だったために保健所の野良猫駆除が入るという話を聞いていた時だったので、一層一日でも早く捕まえて動物病院へ行かなきゃと、日々捕まえるためにマタタビでおびき出したり煮干しを大盛りに乗っけた皿を持って追いかけたり。やっと、9月2日に捕まえることが出来て動物病院へ。3ヶ月間数回に渡って投薬、注射しないと治らないということで、その時から1階に住んでいた当時のマンションを出入り自由の状態で「病気が治るまで…。」と自分に言い聞かせ、ぎこちない共同生活が始まった。
動物病院の当時の獣医さんの見立てでは、この猫ちゃんの年は1歳半〜3歳の間だとのことだった。去年の冬にまだ小さく見えた(小さかったのは、ただ栄養が足りていなかっただけかもしれないとも言われたけれど)ことから考慮して、結局は1歳半くらいでは無いかと言うことで話はまとまった。
白猫ちゃんに誕生日はないけれど、1998年の9月2日は共同生活スタートの記念すべき日となった。
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保護当時2.6kgだった体重が、5ヶ月目には3.6kgになりました。
体重増加とともに態度もふてぶてしく…。可愛い白猫ちゃんの面影はどこに?




★今日のにゃん★
本日のにゃん、ウンチくん出ました。
約5cm×1個。巾が4cmはあろうかというサイズの一品。
おしっこは、通常の大きさのちょっと小さめしっこ玉3つ。
夜のお散歩コールは今日もなし。

★今日のごはん(にゃん)
朝  :ヤラー 100%オーガニックキャットフードチキン 20粒
昼  :手作り食(3分の1残す)
夜  :手作り食

今日の手作り食の内容
昼:ブロッコリースプラウト、キャベツ、水郷鶏(生)、鯖、鯖スープ、ビール酵母
夜:キャベツ、アスパラ、鶏ささみ肉(生)、海老(ボイル)、鰹なまり節、ホタテスープ、ビール酵母


e0031853_12552068.jpg今日は、お昼ご飯はイマイチ食が進まなかったようで残しました。夜は、久しぶりの朝引き鶏ささみ肉。好物の海老がきいてかツルピカ状態で完食。
ぷりんもお昼ご飯を手作り食を欲しがったのでささみ肉はボイルして、にゃんと同じメニューで用意するも、欲しがったくせに何も食べず。材料が無駄になり、同居人より怒られたぷりん。「食べないなら、欲しがるな。」と一喝(笑)。
手作り食練習組は、モンプチ缶“ビーフのテリーヌ仕立て”を使って、茹でたカリフラワー、レタス、鶏ささみ(ボイル)を混ぜて用意。ぷりんも、ももも完食。やっぱり缶詰がいいのね、ぷりん(泣)。みゅー2号はカルカンパウチ“まぐろとささみメニュー 近海小海老入りまぐろとささみ”をパウチ4分の1を使って、茹でたカリフラワー、レタス、鶏ささみ(ボイル)を混ぜて用意。少し残したけれど、みゅーちんにしては上出来。明日もカリカリ以外のご飯を少しは食べてくれるかな。
写真は上が夜の手作りご飯。下が手作り食練習用ごはん。
by nyanmyupurin | 2006-07-24 23:59 | 生い立ち | Comments(10)
Commented by Ganbaruneko at 2006-07-26 11:59
にゃんちんとの出会い、そしてにゃんちんの名前はこういうことだったのですね。読んでいて胸がキュウってなりました。うちは3匹とも仔猫からだったから感じなかった事だけれど、こうしてNMPさんとにゃんちんのやりとりを読んでいて、仔猫を迎え入れるそれとは違って、不思議な温かさを感じずには入られませんね。虫をたくさん持ってきてくれたにゃんちん、愛おしいです。
Commented by Sunny at 2006-07-26 13:36 x
にゃんちんとの出会いは、読ませていただきながら、頭の中に
映像さえ浮かんできました。
nyanmyupurinさんのバイクの音を聞き分けたり、玄関の前に
貴重なご飯を運んで来てくれたり、4日ぶりに帰って来た時には
走って来てくれたり・・・、やっぱり、なんか運命を感じました。
にゃんちん、絶対、長生きしなきゃダメだね(*^_^*)
健康になって、ずっとnyanmyupurinさんの傍にいてね。
Commented by りゅう at 2006-07-26 16:04 x
参加してくれてありがとう。
にゃんちん、頭に模様があったのかな?
いろんな縁と出会いがあるね。にゃんちん、よかったね。
メイを埋葬してしまったら、復活できるかわからないんだけど、
本とか読めるようになったらマテリアメディカとか送りますね。
大瓶でレメディ取り寄せたのになぁ・・・
痩せちゃった猫を見るのはもうつらいから、
にゃんちん、おなかたぷたぷしててもいいよ。私はうれしいよ。
記念日、増えたらまた教えてくださいね。
私も今日は、成に匹敵する大切な大切な日になりました。
まだつらいけど。
nmpさんにメールしようと思ったんだけど、できませんでした。
ミネカライトのお水ね、当初たくさん飲んでました。スープも。
すごい感謝です。ありがとう。すごくたくさん、ありがとう。
Commented by nekoboci at 2006-07-26 16:44 x
にゃんちゃんとの大切な記念日、読ませていただきました。
胸がいっぱいになって、泣いてしまいました。
今日は、りゅうさんの悲しい記念日に涙し、nyanmyupurinさんと
にゃんちゃんの出会いの話に涙腺がゆるみ、泣きの一日になりました。
Commented by 日本カモシカ at 2006-07-26 17:05 x
NMPさんが昔は猫苦手だったなんて、今では信じられません(笑)。
そういう私もDiglisが来る前は犬派だったのに、今ではすっかり猫派になってますが。(^^;)
野良猫だった子って、絶対に恩を忘れないと思うんですよ。
自分が辛い思いをしてた時にご飯くれたり、辛いのを直してくれたりってのは、絶対に覚えてますよね。
タマもうちの車の音を聞き分けたり、外出する時はどこまででも付いてこようとしたり・・・っていうのは辛い野良生活をやっていたからだと思います。
本当に愛しいですよね。

にゃんちんって、頭にグレーの模様があったんですね!
やっぱり雪ちゃんと同じですよ~~!!
雪ちゃんの姉妹で、私が最初に 『この子にしようかなぁ・・・』 と思ってた子はにゃんちんの模様とそっくり(その子はオッドアイにはなってなかったんですけどね)!!
でも結局、なぜか雪ちゃんが頭から離れなくて雪ちゃんに決めてしまったんだけど、雪ちゃんも頭に小さなグレーの点がありますよ。
雪ちゃんが大人になったら、にゃんちんみたいになるのかなぁ☆
Commented by nyanmyupurin at 2006-07-26 21:01
>Ganbarunekoさん
りゅうさんのところで「みんなの記念日」をって記事に、色んな記念日って、それってGood!って思い書きたかったのだけど、仕事が忙しくてやっと今日記事にできました。
野良猫だったにゃんも、りゅうさんのところの猫ちゃんたちと同じく、誕生日がないからお祝いとか出来ないなぁと日々思っていたけど、勝手に記念日に設定しちゃえばいいだ~って(笑)。
にゃんの出会いも、不思議なつながりを感じるものでしたが、病気になった時のあれこれは、更に心のつながりを強く感じる不思議な出来事がいっぱいありました。まだ、その時のことは、泣けてきて記事にはできないけど、いずれ書けるといいなと思っています。
Commented by nyanmyupurin at 2006-07-26 21:08
>Sunnyさん
色んな出会いが皆さん色々あると思うけれど、そして、みゅー2号やぷりんとの出会いもあったけど、やっぱり私にとってにゃんは特別な猫です。病気がちだったり、まだまだ便秘も治っていないけど、いつまでも一緒に居られるように神様にお願いしています(笑)。知り合いの猫ちゃんが27歳の長寿だったんですよ。だから目指せ27歳なんですよ、本当は(笑)。
Commented by nyanmyupurin at 2006-07-26 21:36
>りゅうさん
つらいときに、コメント寄せてくれてありがとう、そしてこんなタイミングで記念日の記事アップしててごめんね。タイミングが悪い自分が嫌になります。
私はな〜〜んにも、メイちゃんにもりゅうさんにも、してあげられないのが、もどかしいです。大変な状況のりゅうさんに、逆に助けてもらってばかりで。
今日のりゅうさんの大切な一日、私も心に残る日となりました。
にゃんは、知り合った時はかなり頭のてっぺんが黒かったです。段々と黒い毛が薄くなって、一緒に暮らし始めて2年くらいたった時にはグレーの毛が数本に。そして、いつの間にか真っ白になりましたよ。
食べられない猫を看るつらさ、本当にくるしいですよね。長い間よくがんばったね、りゅうさん。私も今思い出しても泣ける、にゃんが8年前に生死をさまよった病気の時、食べも飲んでももらえずの毎日で、心が張り裂けそうな思いで暮らしていたので、気持ちが少なからず分かります。
本当によく頑張りましたね。お別れは悲しいけど、少しゆっくり休んでメイちゃんのためにも、またいつものりゅうさんに戻ってね。しょんぼりしていると、メイちゃんお空からりゅうさんの様子を見て悲しむよ。
Commented by nyanmyupurin at 2006-07-26 21:37
>nekobociさん
今日は私も泣いてばかりです。こんなときに、記念日の記事を書いていた自分のタイミングの悪さが嫌になります。
昔のことを思い出してホロってなりながら記事アップしたら、りゅうさんちのメイちゃんがお星様になっていて涙が止まりませんでした。色んな記念日があるけど、悲しい記念日はやっぱり時間がたたないとつらい。看取るほうは本当につらいですね。メイちゃんは、今ごろ苦しみから解放されて、チャップーちゃんやジョジョちゃんたちと、お空で飛び跳ねていますね。
Commented by nyanmyupurin at 2006-07-26 21:45
>日本カモシカさん
ええ、私も犬とは暮らした事があったのだけど、猫はお祖母ちゃんが嫌いでずっと苦手って自分で思いこんでいたし、暮らした経験がなかったから本当に恐々と接していました。ぎこちなさのある関係のまま始まったにゃんとの生活も、もうすぐ9年。今では考えていることがだいぶ理解できるようになりました。
タマちゃんも、ほんっと愛おしいですよね。忠猫している時のあの表情、たまりません。
あとは、できれば、はやく雪ちゃん達に馴染んでほしいけど。
雪ちゃんの頭のグレーっぽいところは、大きくなったら消えてくると思いますよ。にゃんも3年位で全部真っ白になったから。同じオッドアイで同じように頭にちょい黒っぽい毛があって、雪ちゃんのこれからの成長仮定がすごく楽しみ。にゃんの時は見ることが出来なかったから。
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