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『民子』とにゃんちん

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にゃんと一緒に写っているこれは、マルハペットフード株式会社(現アイシア)の創立十周年記念CM『民子』(2000年9月〜2001年3月放映)で起用された浅田次郎先生の短編小説のフォトブックです。
このCMの存在を知ったのは、当時読んでいた猫の雑誌「猫びより」2001年4月号に掲載された特集「浅田次郎『私の民子』」での記事。地方では放映されていないCMだったので、マルハペットフードさんのホームページで10年前、何度も何度も繰り返し動画を見ては涙していたのを思い出します。
感動した私は、このようにフォトブックも購入したほど(^_^;)。
購入した本を開くとそこには、この時に浅田先生がCMのために書き下ろした他2本の原稿も掲載されていて、しかもどちらも胸にジーンときた。
400字詰めの原稿用紙一枚の世界に、これほどの切なく胸に響く話を書き上げてしまう浅田次郎という作家に、震えるほど感動した日でもありました。猫との暮らしから受け取る教え、その度に感じる人間の浅はかさなど、日頃私自身も思っていたことだったので、なおさらでした。
そんな訳で、もう10年も本棚に仕舞ったままになっていた「民子」。久しぶりに開いて読んでみました。
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10年たった今でも、いいものはいいと痛感。400字の世界に改めて感動しました。
ご存じない猫好きの方のために転記します。

作・浅田次郎
「たみこ」

民子が忘れられない。
彼女は夜ごとチャブ台のかたわらに座って、一文にもならぬ私の原稿を読んでくれた。
「とてもいいわ。その調子よ。」───長い間、民子は私のたったひとりの読者だった。
ようやく原稿が売れ始めたころ、民子は行方知れずになってしまった。見るかげもなくやつれ果てて戻ってきたのは、長編小説の仕上げにかかっていた寒い夜であった。民子は大団円の十枚ばかりを、私の膝に横たわったまま読んでくれた。
「最高よ。おめでとう。」───かすれた声でそれだけを言うと、民子は廊下をよろぼい歩き、闇に消えてしまった。そして再び帰らなかった。
美しく気高い民子は、死に至る姿を私に見せまいと家を出たのだろう。だが一言の祝福を告げるために、一度だけ戻ってきてくれた。
多くの恋人たちの顔をみな忘れても、民子ひとりが忘れられない。


しかも浅田次郎先生は達筆で、原稿が美しくて。それにも当時感動した私です。
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本の中に
三つの原作から選ばれた『民子』
というページがあり、CM制作に至るまでの経緯が書かれていました。(以下転記)

「小説家が原作を書いたCMを作りたい」
毎回愛猫家の話題を呼ぶマルハペットフードのCM。そのCMを長年手がけたクリエイティブディレクターは、創立十周年記念CMにそんな夢を抱いていた。自身もプロデューサーも大ファンであり、猫好きで知られる作家浅田次郎に原作を依頼し、映画的なCMを作ろうというものだった。しかし、相手は超多忙の売れっ子作家、果たして了解してもらえるのだろうか。
実際、なかなか連絡が取れず行きつけの店の人に手紙のやりとりをお願いして承諾をもらうまでに2ヶ月、書き下ろしの原稿をもらうまでに半年かかった。
しかしついに、浅田次郎書き下ろしの原稿は届いた。しかもそれは3本もあり、全て素晴らしい内容だった。
───そしてディレクター、プロデューサー、監督の三人一致で選んだ作品は『民子(原稿上は「たみこ」)』だった。猫と人間との関わり合い、猫と人間との友情、何よりも、浅田次郎の猫への愛情が深く伝わってくる作品。
こうしてCM『民子』の原作は決まったのだ。



そして『民子』の他に書かれた原作が次の二本。
どちらも本当に素晴らしくて、当時は読んだだけで目の奥が熱くなったものです。
10年後の今も、久しぶりに読み返してみて、胸がギュっとなりました。
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作・浅田次郎
『ポスト』

その仔猫は商店街のポストの前で鳴いていた。ひどい風邪っぴきで目が爛れ洟水だらけの痩せ細った仔猫を、人々は気の毒に思いこそすれ誰も抱き上げようとはしなかった。
おそらく飼い主も、病を扱いかねて捨てたのであろう。私はその猫を懐に入れて持ち帰り、ポストと名付けた。
医者にかかる金はないが、俺が治してやると言うと、ほかの猫たちもかわるがわるポストの顔を舐めた。
やがて病が癒えると、ポストは珍しいほどの愛らしい猫になった。そして、誰かにさらわれた。見知らぬ人が抱いて立ち去るのを見たと、近所の子供が教えてくれた。
猫たちはみな、人間は勝手だと嘆いた。
初めて会ったポストの前に日がなたたずみ、私はポストの名を呼んだ。誰かポストを知りませんか。人々は私に奇異の目を向けた。
近頃になってしみじみ思い知らされた。人間はやはり勝手な生き物だ。



作・浅田次郎
『キャラとトモコ』

キャラとトモコは人もうらやむ仲むつまじい夫婦である。六匹の玉のような子らを、手塩にかけて育て上げた。
キャラはいまだに野原で遊ぶ子らをかたときも目を離さず、よその猫が現れると全身で威嚇し、ときには命がけで戦う。
トモコは自分より大きくなった子らの毛づくろいに終日余念がない。
もちろん親が子らに先んじて餌を食うこともせず、過ちは両親が並んで説論し、叱った子供はその夜、必ず川の字に挟んで寝る。
人はおのれの出自や生い立ちをとやかく言う。人生を親のせいにする。だがそれを言うのであれば、キャラとトモコの生き方は何一つ説明がつかなくなる。二匹はともに捨て猫で、親の愛情など知らないのである。
万物の霊長などとうとぶいてはみても、やはり人は猫よりも愚かしい。



どうして突然『民子』かというと「liliaの瞬間湯沸かし記」さんの「地下鉄に乗って」という浅田次郎先生原作の映画の記事を読み、紹介の動画を見て、すぐにマルハペットフード(現アイシア)さんの、この浅田先生の原稿と『民子』のCMを思い出したから。
私、「鉄道員」は読んだけど、まだ「地下鉄に乗って」は読んでいなかったな、そういえば…。
近いうちに読んでみようっと。


そして夜には、にゃんちんのウンチくんの揉み出し決行!
食欲が落ちてきたことと、お腹を触った感じが中央に大きいウンチが出来てきた様子だったので、もう強制的にウンチを出さないとマズイことになりそうと判断して強行で出しました。
揉み出しの最中に一度吐かせてしまったことと、全力で嫌がるにゃんを押さえつけての揉み出しだったので、本猫は超ご立腹(汗)。
揉み出し終了直後のにゃんちん、ケージの2階に入ってパッタン、パッタンしっぽを強く打ち付けて怒っちゃって(^_^;)。
更に、このあと直ぐにお尻をシャンプーしたから、にゃんのお怒りはMAXな状態(汗)。
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下半身が乾き切っていない濡れそぼった状態で、パソコンデスク用の椅子に鎮座してムッとしたお顔のにゃんちん。
ま、怒れるくらい元気があるってことで、にゃんちんヨカッタよね(-_-;)。パソコンデスク用の椅子を譲ってあげたんだから、許してよぉ。とは心の声。もしかしてそのお顔、私の心の呟き聞こえちゃったか?(笑)
今日も、こうしていつもと変わらない一日が過ぎていきました。
これが私の日常で、これが私の幸せなのだと、しみじみ思う一日でした。
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★今日のにゃん★
本日のにゃん、ウンチくん出ました。予定通り揉み出しで出しました。
出せたウンチは1cm×2個、2cm×2個、3cm×2個、4cm×1個、7cm×1個。
しっこは通常より小さめのしっこ玉1個。

★今日のごはん(にゃん)
朝:FORZA10 Bio 3g
  昨夜の残りを少し食べる
昼:なし
夜:手作りご飯(半分残す)

今日の手作り食
夜:人参、菜花、カブ、ラム肉(生)、鰹のなまり節、ホタテスープ、ビール酵母、ナチュラルカルシウム、ケイズマイスター

『民子』とにゃんちん_e0031853_10585292.jpg朝はドライフードと昨夜残した鶏レバーを少し食べて終了。いよいよ食欲ダウンの様子。お昼はサーモンオイル入りの猫缶をデリバリーしてまたが顔を背けて食べないので無しにしました。夜はウンチの揉み出しで吐いたばかりだし、まだ食べないかもと思ったけれど、キッチンでご飯待ちをしていたので早くも食べられるようになったのかな?と思い、普通に準備して出したところラム肉はイヤ!と半分をお残しです(汗)。
手作り食練習組は、菜花、カブ、人参、錦爽鳥胸肉(ボイル)、錦爽鳥ハツ(ボイル)、ナチュラルカルシウム、ビール酵母に猫缶“カルカンウィスカス ビーフ&フィッシュ缶”を混ぜて用意。
ぷりんは、3分の1を食べて終了。残したご飯にカリカリを乗っけて再度デリバリーで4分の3を食べて終了です。
みゅー2号は今夜も激しい砂掛け状態で食べません。食べないご飯にカリカリを乗っけて再度デリバリーするも、顔を背けて食べようとしません。今夜は野菜は多くない筈なんだけど、カブの臭いが気になったのかな、何度デリバリーしても食べませんでした。
ももは半分を食べました。残したご飯にカリカリを乗っけてあげて完食です。ぷりんが残したご飯は、ももが食べています。
写真は上が夜の手作りご飯。下が3匹の手作り食練習ごはん。
by nyanmyupurin | 2011-05-24 23:59 | にゃん